NVIDIA TITAN RTXのグリス塗り替えとサーマルパッド交換をご依頼いただいた実績をご紹介します。
「高負荷時に過熱して落ちてしまう」というご相談で、グリスの状態確認から作業に入りました。
ご依頼の内容
- GPU: NVIDIA TITAN RTX
- 依頼内容: グリス塗り替え・サーマルパッド交換
- 症状: 高負荷時に過熱し、処理落ち(クラッシュ)が発生
TITAN RTXはNVIDIAのTuring世代ハイエンドGPUです。元々発熱量の多いクラスの製品ですが、グリスの劣化が重なると冷却が追いつかなくなり、今回のような過熱・クラッシュにつながりやすくなります。
分解・状態確認
TITAN RTXはヒートシンクを固定するネジが非常に多く、取り外しには細かい作業が連続します。ネジのサイズや締め付けトルクを誤るとシンクの密着に影響するため、一本ずつ慎重に進めました。

ヒートシンクを外すと、グリスは完全に乾燥・固化しており、ぽろぽろと剥がれ落ちる状態でした。グリスが固化すると熱の伝導効率が大きく低下するため、GPU本体からヒートシンクへの熱移動がうまく機能しなくなります。今回の過熱症状の主な原因はここにあったと判断しています。
実施した作業
グリスの除去・塗り直し
固化したグリスをGPUダイおよびヒートシンク側の両面から丁寧に除去し、新しいグリスを塗り直しました。
サーマルパッドの交換
VRM・メモリ各部のサーマルパッドを確認し、硬化・へたりが見られたため全数交換しました。各部位の隙間に合わせた適切な厚みのパッドを選定して使用しています。
作業後の結果
ベンチマークを用いて作業前後の温度・ファン回転数を計測しました。
作業後はコア平均温度・ファン回転数ともに低下し、ベンチマークは途中で落ちることなく完走しました。
作業を通じての所見
TITAN RTXはネジの本数が多く、各所のパッド厚の管理も必要なため、分解・復元の工程が多いGPUです。一本ずつのネジ管理と、パッドの厚み選定に時間をかけた作業になります。
グリスの状態としては今回が特に劣化の進んだケースで、固化してぽろぽろと剥がれ落ちる様子は熱伝導の低下を視覚的にも示していました。グリスが乾燥した状態のまま使い続けると、GPU本体への熱負荷が高まり、クラッシュ・寿命低下につながります。
「使い続けているうちに高負荷で落ちるようになった」という症状がある場合、グリスの状態確認は有効な切り口です。
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