「4K解像度でApex Legendsをプレイしているが、電力制限を80%・FPSを130に制限しているにもかかわらずGPU温度が90℃前後に達してしまう。中古で購入したため、グリスやサーマルパッドが劣化しているかもしれない。今後4〜5年安心して使い続けたい」
そんなご依頼をいただきました。
グリス塗り替えとサーマルパッド交換を実施した結果、ファン平均回転数が58%から53%へ5%低下し、ベンチマークスコアも7,257から7,393へ +1.9%向上 しました。なお、今回のグリスはやや乾燥気味ではあったものの深刻な劣化ではなく、当方の検証環境ではRTX 3080として作業前からコア温度が90℃を超えることはありませんでした。
ご依頼いただいたサービスはこちら
GPUグリス塗り替え・サーマルパッド交換代行。分解・作業・動作確認まで一貫対応
ご依頼の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | NVIDIA GeForce RTX 3080 |
| 依頼内容 | グリス塗り替え・サーマルパッド状態確認・交換 |
| 実施した作業 | グリス塗り替え・サーマルパッド全数交換 |
| 対応形態 | 郵送(GPU単体送付→返送) |
| 返送までの時間 | 受取当日・到着から約2時間で発送 |
ご依頼の背景
4K解像度でApex Legendsをプレイしている際、MSI Afterburnerで電力制限を80%、ゲーム側でFPSを130に制限しているにもかかわらず、GPU温度が90℃前後に達してしまうとのご相談でした。
中古で購入したGPUであるため、前オーナーの使用状況によってはグリスやサーマルパッドが著しく劣化している可能性があり、それが高温の一因になっているのではないかというお考えでした。
また、今後4〜5年ほど安心して使い続けたいというご意向もあり、現時点での状態確認と予防メンテナンスを兼ねたご依頼となりました。
受取当日・2時間での返送
今回はGPU到着から約2時間で作業・発送まで完了しています。
通常、サーマルパッド交換が必要な場合は適正な厚みのパッドを発注するため数日の作業期間をいただくことがありますが、今回使用したサーマルパッドの在庫が当方事務所にあったため、到着当日にそのまま作業・返送まで進めることができました。
分解・状態確認
グリスの状態
ヒートシンクを外すと、グリスはやや乾燥気味の状態でした。完全に固化・乾燥しているわけではなく、深刻な劣化とは言えない状態です。ただし乾燥が進んでいたことは確かなため、熱伝導の維持と長期安定性を高める目的で塗り替えを実施しています。
サーマルパッドの状態
各部位のサーマルパッドを確認し、状態と厚みを実測のうえ全数交換しています。
作業内容
1. 分解・清掃
ヒートシンクを取り外し、グリスと既存のサーマルパッドをアルコールで丁寧に除去しました。各部位の接触面をクリーンな状態に整えてから作業に入ります。
2. サーマルパッドの交換
各部位のパッドの厚みを実測し、適正な厚みのサーマルパッドに全数交換しました。
3. グリスの塗り替え
GPUダイに新しいグリスを均一に塗布しました。
4. 組み立て・動作確認
ヒートシンクを均一なトルクで組み戻し、ベンチマークで温度・スコア・動作を確認して納品しました。
計測結果
※ 温度・スコアは当方の検証機にお客様のGPUを組み込んで計測した値です。PCの環境・ケースエアフローによって異なりますのでご注意ください。 ※ 作業前室温23.9℃・作業後室温25.1℃(+1.2℃)での計測です。
温度比較
| 計測項目 | 作業前 | 作業後 | 差分 |
|---|---|---|---|
| GPUコア温度(最大) | 73.9℃ | 73.8℃ | -0.1℃ |
| GPUコア温度(平均) | 69.8℃ | 67.4℃ | -2.4℃ |
| HotSpot温度(最大) | 84.3℃ | 83.8℃ | -0.5℃ |
| HotSpot温度(平均) | 79.9℃ | 77.5℃ | -2.4℃ |
| メモリ温度(最大) | 90.0℃ | 92.0℃ | +2.0℃ |
| メモリ温度(平均) | 83.6℃ | 82.6℃ | -1.0℃ |
| ファン回転数(最大) | 68% | 68% | — |
| ファン回転数(平均) | 58% | 53% | -5% |
ベンチマークスコア
| タイミング | スコア |
|---|---|
| 作業前 | 7,257 |
| 作業後 | 7,393(+1.9%) |
結果の考察
改善幅が控えめな理由
今回の改善幅がRTX 3080の深刻な過熱事例と比べて小さい理由は、グリスが完全に乾燥・固化していなかったためです。グリスの劣化が軽度だった分、熱伝導の低下も限定的であり、交換による温度改善幅も比例して小さくなっています。
一方、作業後の室温が作業前より1.2℃高い環境での計測になっています。コア平均-2.4℃・HotSpot平均-2.4℃という数値は、室温差を加味するとさらに実質的な改善があったと考えられます。
ファン回転数が5%低下した意味
平均ファン回転数が58%から53%へ低下しています。温度改善が小幅であっても、GPUが動作温度を維持するために必要なファン回転数が減った点は、長期使用における騒音低減とファンへの負荷軽減につながります。4〜5年の延命を目指す観点では、この変化は意味のある改善です。
ゲーム中の90℃について
当方の検証環境では、作業前の時点からコア温度が90℃を超えることはありませんでした。ご使用環境で90℃前後に達していた要因として、ケース内のエアフロー・ダストの堆積・ケースファンの構成が関係している可能性があります。作業後もゲーム中の温度が改善しない場合は、グリス・サーマルパッド以外の要因を並行してご確認いただくことをおすすめします。
中古GPUの延命メンテナンスとして
グリスやサーマルパッドは経年で必ず劣化します。今回のケースではまだ深刻な状態ではありませんでしたが、今後数年でさらに劣化が進む前に新しい状態にリセットしておくことで、今後4〜5年の安定稼働を下支えします。「今すぐ壊れそう」という状態ではなくても、使い続ける年数を見据えて交換するのは合理的な選択です。
まとめ
| 計測項目 | 変化 |
|---|---|
| ベンチマークスコア | 7,257 → 7,393(+1.9%) |
| GPUコア温度(平均) | 69.8℃ → 67.4℃(-2.4℃) |
| HotSpot温度(平均) | 79.9℃ → 77.5℃(-2.4℃) |
| ファン回転数(平均) | 58% → 53%(-5%) |
| 返送までの時間 | 受取当日・約2時間で発送 |
グリスが深刻に劣化していなくても、交換によるコンディションのリセットとファン回転数の低減は確認できました。中古GPUを数年単位で使い続けることを考えている場合は、現状の状態にかかわらず一度確認・交換しておくことで安心して使い続けられる環境が整います。
ゲーム中の高温が改善しない場合は、ケース内エアフロー・ダスト清掃・ケースファン構成も合わせてご確認ください。
GPUグリス塗り替え・サーマルパッド交換代行を承ります。RTX・RX各世代対応
GPUグリス交換・GPU清掃の詳細・ご依頼はこちら →関連実績
中古RTX 3090のグリス・サーマルパッド交換実績。スロットリング解消でスコア+241%。
サーマルパッドが不適切な取り付け状態だったRTX 3080Tiのグリス・サーマルパッド交換実績
内部清掃・CPUグリス塗り替えを3,000円〜で。郵送全国対応。
構成の最終確認・予算内でのベース案提案など、10万円以上の買い物で失敗したくない方に。組立代行時は実質無料!
ワンコイン構成診断(500円) →